猛暑記録が更新される昨今は、ゲリラ雷雨と共に落雷も激増。落雷の危険は住まいの中にも潜み、離れた場所に落ちた雷で家電が全滅する可能性も。今回は、屋内に居ても危険な雷鳴時の注意ポイントや、便利な家電保護アイテムなど住まいの手軽な落雷対策のご紹介です。
近年相次ぐ、落雷による家電製品故障被害

2024年の8月の全国落雷数は、3年連続で100万回を超えています(民間の気象会社「フランクリン・ジャパン」のデータ)。特に関東地方の場合、2023年8月の2倍の約6万回も発生(気象庁「雷観測データ」)。落雷時に心配なのは停電や感電だけではありません。近年は雷の影響によるエアコン、パソコン、テレビなどの電子機器や家電製品の故障被害も相次いでいます。落雷による直撃だけでなく、落雷地点から離れた場所(落雷地点から2km圏内)であっても、家電トラブルは起きるのです。
落雷時に発生する「雷サージ」に要注意!

その原因となるのが「雷サージ」。落雷時に発生する瞬間的な過電圧や過電流です。「直撃雷」「誘導雷」「逆流雷」の3つのサージがあり、雷が原因の家電製品の故障の多くは「誘導電サージ」によるもの。落雷地点で発生した強力な電磁波が、電線や通信線を伝わり、建物内のコンセントなどから電気製品に流れ込む現象です。コンセントやケーブルで電源がつながっている家電製品、たとえばエアコン・冷蔵庫などの大型家電やパソコンなどのほか、給湯器からお湯が出ないなどのトラブルも。外傷がないので大丈夫と思いきや、内部の部品が破損しているケースもあります。
雷の音が聞こえたら、電源を切りケーブルを外す

最大の対策は、雷サージの住まいへの侵入経路を絶つこと。遠くから雷の音が聞こえてきたらパソコンや家電などの電源を切り、電源ケーブルをコンセントから外しておきましょう。普段使っていない電化製品はプラグをコンセントから抜いておくようにしましょう。さらに、雷サージは、通信線やアンテナ線などの電源線以外から侵入してくることも。LANケーブル、テレビのアンテナケーブル、電話線、アース線なども一緒に外しておきましょう。雷が近づいてきたら機器類の電源に触れないように!感電する恐れがあります。
簡単・便利、雷ガード付アイテム活用

とはいえ、大型の家電などはケーブル類をいちいち外すのも大変。外出中は対処の仕様がない上、冷蔵庫などは長時間電源を切っておくのが難しいものです。そこで、おススメは住まいの中に入ってきた雷サージを代わりに吸収してくれる「雷ガード付き電源タップ」などの活用です。電源タップ内に雷サージを減少させる吸収素子が組み込まれているため、誘導電から家電を守ってくれます。雷サージ吸収素子に加えて、雷サージをバイパス回路からアースへ逃してくれる高性能の雷ガード付きタップならば、誘導雷だけでなく逆流雷対策にもなります。
雷サージ保護アイテムは、適宜交換を

ただし、一度でも雷サージの影響を受けたタップは保護機能を失ってしまいます。使用回数や期限も決められています。雷ガード付きタップの作動状況確認ランプが消えたら、新しいものと交換しましょう。なお、これらのアイテムは直撃雷サージには対応していません。また、停電した時は家電製品の電源プラグを抜いておくこと。停電から復旧する際に、過剰な電流が発生して機器が故障したり、ブレーカーが飛んだりする可能性があります。
室内に潜む危険、窓・壁・金属・水回り

「雷は屋内に居れば100%安全」ではありません!雷が近づいてきたら、電気器具、窓、壁、金属部分から1メートル以上離れるようにしましょう。意外と盲点になりやすいのが水回り。実は排水管や水道管も、落ちてきた雷が伝わるルートになることがあります。雷が鳴っている間はキッチンや浴室などに近づかず、落雷時には入浴などは避けましょう。
固定電話はNG、充電中意外スマホはОK

雷が近くに迫っている時には、固定電話やFAXの親機の使用も危険です。実際、落雷時、固定電話を使用中に感電したケースも。一方スマートフォンの使用は、充電中やコンセントに接続された状態でなければ、基本的に安全です。落雷時には誘導雷が伝わってくる物や場所を避けて使用しましょう。
ゴロゴロ雷の季節…住まいの落雷対策を万全にして、安全に健やかに過ごせるように心がけましょう!
