なんだか最近、床や畳がベタベタする…。夏の間に素足で歩きまわった床や畳は、汚れがいっぱいです。汚れの放置や誤ったお手入は素材を傷める原因にも。今回はフローリングや畳を傷つけずに適切に簡単に汚れを除去、住まいをスッキリさせる秘策のご紹介です。
フローリングのベタつきは、油分と湿気+ホコリ

まずはフローリングです。フローリングのベタベタの主な原因は油分や湿気。調理油や脂肪分を含んだ食材(肉、バター、オイル漬けなど)の水蒸気「オイルミスト」が、調理するとフローリングに飛び散ります。また足の裏の汗もフローリングに湿気を与えます。その上にさらにホコリが溜まって、余計にべたつくようになってしまうのです。
乾拭きが基本のフローリングも、水拭きしてOK!?

通常、フローリングのお掃除の基本は、「乾(から)拭き」です。水分がフローリングの素材や塗装の変色・変形などの劣化、カビ、腐敗を引き起こすリスクがあるためです。でも、油や皮脂による蓄積した汚れは、ドライシートによるフローリングワイパーの乾拭きだけではなかなか落ちないもの。ベタベタ黒ずみが気になりだしたら、水拭きの出番です! ポイントは水拭きの水分量です。できるだけ固く絞った布で拭きましょう。またその後に乾いた布で水分をしっかりと拭き取って乾燥させることが、何より重要です。
※床素材によっては水拭きができない場合があります。事前に確認してから使用しましょう。
専用洗剤は不要、最もおススメは食器用洗剤

水拭き用に適している洗剤は、なんと食器用洗剤。数滴をバケツにたらして雑巾を浸したら、よく絞って床を拭くだけ。二度拭きも要りません。足裏の皮脂などがついたべたつきや黒ずみもスッキリ!フローリングワイパーに雑巾を取り付ければ手も汚れずラクラクです。
重要はOK、クエン酸・消臭スプレーは要注意

エコなクリーナーとして人気の重曹やクエン酸は、ちょっと注意が必要です。フローリングのベタベタ汚れは酸性のため、アルカリ性の重曹はОK。でも酸性のクエン酸は効力を発揮できません。クエン酸が向いているのは、水垢のお掃除。フローリングのベタ付き汚れに使用すると、酸で床が白くなる・曇るなどの恐れもあります。また除菌効果のある消臭スプレーも要注意。フローリングのベタベタ汚れを落とすことができないばかりか、余計に床がべたつく、また変色やシミの原因になることがあります。
フローリング素材に合う成分のウエットシートを

床掃除用ウエットシートを使う場合は、事前にフローリングの素材を確認しておきましょう。無垢材のフローリングには天然の油脂やワックス成分入りシートを、樹脂系コーティングの合成材フローリングには住居用洗剤入りシートがおススメです。
畳の夏のカビは、エタノールで除去+乾拭きで

次に季節の終わりの畳のお手入れ法について。まず畳は水拭きNG。必ず乾拭きしましょう。もし夏の間にうっすら白カビが発生してしまった場合、ドラッグストアなどで手に入る、掃除用のエタノールを使うと効果的です。エタノールは85%以上になると殺菌力が低下するため、70~80%の濃度のものを使用しましょう。掃除する際には窓を開けて換気をしながら、エタノールを畳のカビ部分に吹きかけましょう。20分ほど放置したら歯ブラシなどでカビをかきだし、再度エタノールを畳に吹きかけ、最後に乾拭きして完了です。カビを掃除機で吸う、お酢やアルコールでカビをポンポン叩きながら拭くなどはNG!カビを空気中にまき散らしたり、カビを畳の奥へ押し込んでしまったりするため危険です。
重曹、セスキ炭酸ソーダ、コロコロシートもNG

畳の定期的なお掃除は「畳の目に沿って、ゆっくりふんわりと掃除機をかける」のが基本。イグサを傷つけずに汚れを効率よく除去できます。畳を拭くときも畳の目に沿って必ず乾拭きを。汚れが気になる時は畳み専用の中性のウエットシートで拭き取った後、乾拭きしましょう。重曹やセスキ炭酸ソーダは、アルカリ性分によって畳が変色してしまう恐れがあります。またコロコロ転がしてゴミや髪の毛などを絡めとる粘着テープは、イグサが剥げて劣化を促進してしまうので、使用しないようにしましょう。
スッキリ床をきれいにして、夏の後仕舞いを。快適な住まいにしてさわやかな秋を楽しみましょう。
