一年で最も過ごしやすい季節です。でも少しずつ寒くなるこの時期は体調不良に悩む人も。原因の一つが寒暖差疲労です。そこで今回は科学的に効果が証明されてきた「木質」を使った、住まいを手軽に健康空間に変えるための有効で楽しい方策のご紹介です。
気温差が7℃以上になると、体力の消耗が激しくなる

10月は秋の深まりと共に、日中の気温の高低差が激しくなっていきます。日中の最高気温が25度を超える日があれば、翌日には10度近く低下、また1日の中で最高気温と最低気温の差が7度以上になることも。気温差の乱高下が続くと体温を調節する自立神経が乱れ、体にさまざまな不調が起こりやすくなります。急激な気温の変化に身体がついていかない状態になり疲労が蓄積するのが、「寒暖差疲労」です。室内と外気の温度差が大きい夏だけでなく、実は秋が日々深まり朝晩や前日との気温の差が大きくなるこの時期こそ、特に注意が必要となります。
寒暖差疲労にはリラックス、木質で副交感神経優位に

寒暖差疲労が原因の不調には、主に頭痛、めまい、肩こり、腰痛、下痢や便秘などがあります。体内のエネルギーを大量に消費するために冷え性になりやすくなります。だるさが続き、むくみ、食欲不振、肌荒れ、じんましんやアトピーなどアレルギーの症状も出やすくなります。イライラや落ち込み、不安感、不眠の引き金にも。対策は体を冷やさないことです。そして、もうひとつ重要なのが心身のリラックス。そのためには副交感神経を優位に働かせる必要があります。近年その実用的な方法として「木質」がもたらす多くの効果が注目されているのです。
木質は疲労回復、集中力・作業効率アップに効果あり

たとえば、木製の机を使っている学校の子どもとスチール製の机を使っている学校の子どもの様子を比較すると、木製の机の方が「注意集中の困難さ」や「眠気とだるさ」を訴える子が少なかったのだとか(文部科学省「木材利用の意義と効果」*1)。
木質には、集中を助けて活動力を高める効果、作業性・業務効率を高める効果があるとされています(林野庁「内装木質化した建物事例とその効果」*2)。
*1)<>木材利用の意義と効果
*2)建物の内装木質化のすすめ
インフルエンザ抑制効果、森林浴の香りで免疫力向上

さらにうれしいことに、木質はインフルエンザウイルスに一定の抑制効果も(林野庁「木材利用の進め方のポイント、工夫事例「木の学校」*3)。また、森林浴の香り成分のフィトンチッドには心身にリラックス効果だけでなく、菌の増殖抑制作用(森林・林業学習館「フィトンチッドのさまざまな効果」*4)、免疫機能の向上作用があることが確認されています(一社日本ウッドデザイン協会「木材の匂いを嗅ぐと、免疫力が向上」*5)。
*4)森林・林業学習館
木質の環境は、リモートワークや勉強部屋に最適

そうした大きなメリットをもたらしてくれる木質を、住まいに手軽に取り入れる方法があります。たとえば、天然木を基調とした家具やインテリア雑貨を取り入れるだけでも、木質の効果を期待できます。天然木を使ったデスクにすればリモートワークの仕事効率が、子ども部屋の学習机を木の素材のものにすれば成績がアップするかも!また、木製品のインテリアの設置は、地球温暖化防止にも役立ちます。木の素材の壁紙を貼れば、照明も柔らかく感じられます。
小物から始めて、木質を取り入れた住まいに

いきなり木製家具を取り入れるのは難しいという時は、もっと小さな木製のかごやブックエンド、コースターなどの小物から始めてみましょう。少しずつ住まいに天然木のアイテムを増やしていくイメージで無理なく楽しく取り組みましょう。たとえば、木製の食器。熱が伝わりにくく軽くて丈夫な上、料理の盛り付けにも色を添えてくれます。天然素材ですから長持ちさせるに、スポンジで優しく洗ったら長時間水に浸さず、水気は速やかに取り去りましょう。木の食器が白っぽくなってきたら、えごま油を少量なじませましょう。艶が復活しますよ。
手軽に木質を取り入れながら、住まいを落ち着きと安心のリラックス空間に。お風呂や快眠グッズにヒノキの香りを使ってみるのもよし。自分なりの楽しい工夫でリフレッシュして体調を整え、秋の季節を元気に過ごしましょう!
